いじめが発覚し、母親に問いただされた友達は、なぜか幼馴染の名前を口にした
実は、その友達も、わたしほどではないが勉強ができて、ピアノが弾けて、運動神経が抜群だった
『男子全員が一回は好きになる子』みたいなポジションを確立していたモテ子でもある
つまり、客観的に考えて、その友達もどちらかというとわたしより『上』のポジションにいた
そこに幼馴染は漬け込んだのかもしれない
普通なら、運動では友達が勝っていたはずなのに、なぜかわたしが勝つようになってしまった
それが一回ではなく、数回にわたって
『みひるちゃんに負けて悔しいでしょ?』
『いっちゃいなよ、いっていいんだよ!』
こんな風な言葉を何度もかけられたそう
『そりゃ悔しいよ!』
ずっと何も言わずやり過ごしていたらしいが、押し負けたのか、我慢できなくなりそう言ったらしい
こうして、わたしを悪く言うことが始まったとのこと
これを聞かされた母親は激怒
肝心のわたしは、どう思ったのか覚えていない
色んな意味でどっちでも良くなっていたのかもしれない
幼馴染に対しては、小学校に入ってからは距離を取るようになっていたこともあり、こちらとしてはそこまで意識している存在ではなかったような気もする
もしかすると、幼馴染にとってはそれも気に食わなかったのかもしれない
少し前まではわたしの方が上だったのに
これじゃあ全てにおいてわたしの方が劣ってしまう
勉強しかできない、頭でっかちだと思ってたのに
これくらいは無意識下で思ってたのかもしれない
何にせよ、そうやって自分の気に入らないやつを孤立させ、いじめるようとするだけの“賢さ”があることだけは褒めてやる
もっとその頭を使って勉強していれば、いじめなんかしなくてもわたしより上にいたんじゃないのかな(笑)
悪態はこれくらいにして
白状してくれた友達からは後日、電話で謝罪があった
その後は普通に遊び始めたような気がする
いじめも6年生になる頃にはなくなり、修学旅行も楽しく行くことができ、卒業式もちゃんと出席
卒業生の歌の伴奏もしっかりして無事卒業
中学校に入り、さらに伝説(笑)を作っていったわたしに反して、幼馴染は中学の途中から心の病に侵されていった
小学校以降、話をしていないので原因や、不登校中にどうしていたかはほとんど知らない
中学校の卒業式も、出れなかったようだ
こうして、話すこともなく、卒業し、高校、大学と成長していったある日、家に一通の手紙が届いた
幼馴染からの手紙だ
つづく